与沢翼さんの一件、私あまりこういう誰かが何をした的な話題って関心がないのですが、YoutuberとしてYoutubeと接していてこの話題が目に付くのでちょっとこの件どうなのか考えています。
一言disclaimer出しときますがあくまで私の個人的な考えです。
ある程度お金もあり、且つ幸せの正体をかなり高い解像度で知る私として、先ず覚醒剤を使う気持ちが理解できるかというとたぶんできます。もちろん私はそんな非合理的な行動はしませんし興味もありませんが、ただどういう気持ちで使うかは分かるような気がします。
今回与沢さんが覚醒剤に手を出した理由って大別して
①日々にかなりの重圧を抱えている
②どうしようもない物足りなさを感じている
前者は恐らく不動産運用、後者は恐らくお金を稼ぐことを「目的」にする限界。
だいぶ昔に彼の動画を見たときに言っていたのは「不動産って罰ゲームだよね」ということ。入居契約の裁判トラブルだったかそういう動画もあげていましたね。
あれ実際やってみると結構きついと思います。金額的には全然大したことないのですがああいうのじわじわメンタルに来るんですよね。
金額規模的に考えて数十件は物件を持っていたと思いますが、ああいうのが数十件の物件運用の中で中東東南アジアをまたいで次々に発生しているんです。結構きついと思います。
私があまり不動産を買い過ぎないことを推奨するのも、やっぱり増え過ぎたら増え過ぎたで苦労することを知っているからです。あくまで片手間で運用できるくらいの規模がお勧めです。個人なら5棟10室という事業的規模の閾値前後でしょうね。如何に管理会社が日ごろの管理業務を代行してくれるとは言え、事業的責任を負うのはもちろん自分自身です。
そして不動産ってじわじわとストレスを感じる割に日々の運用に刺激がないです。価格が目に見えて急上昇したりすることもありません。だからこそ魅力もあると言えるのですが、正直専業大家さんで幸せそうにしてる人って見たことないです。
何というか瞳の奥底に心労を抱えているんですよね。
私も不動産系は1棟6室1区分の太陽光2基を運用していますが、増やしてもせいぜいあと2棟が良いところかなと思っています。法人でチーム組んで誰かと一緒に組織的に運用するならもっと増やせるとは思いますけどね。
「やっぱりお金持ちでも幸せにはなれないんだなあ」と巷でよく聞くこの言葉にはお金持ちでない自分を擁護する気持ちや妬みの気持ちも混じっているものですが、実際のところ一人でお金だけを稼いでいてもそれがある金額を超えてくるとやっぱり虚しいものなのだと思います。
与沢さんの場合はそこに年齢的な問題も絡み、何というか人生の先行きの天井みたいなものが漠然と見えてきてしまったのかもしれませんね。
まあタイトル回収としての回答はNOとなります。例えば以下を比較したときに
①お金は10億円ある、でも家族も友達も居ない、日々にやりがいもない
②お金は無い、でも家族も友達も居る、仕事はしんどいけどやりがいがある
それぞれの状況を想像してみると良く分かると思いますが、例えば広いタワーマンションの一室、一人部屋にいて空とPCモニターを見つめる自分、特に変化も生きがいもない退屈な日々。対して狭いアパート暮らし、そこではパートナーが自分の手を握っている暖かさや可愛い子供が自分に笑いかけている姿が映る。ああ明日も仕事かとか思いながら友達と安酒飲みながら他愛もない話につい笑う自分。
これはまあ間違いなく②の方が幸せでしょう。まあお金もあって家族も友達も居る仕事も楽しい、というのが理想的ですが今回はそういう話ではありません。10億円で家族や友達ややりがいある仕事を買えるのか、というとこれは買えません。
常に自分を気にかけてくれる存在、自分の気持ちを打ち明けられる存在、自分を満たしてくれる仕事というのは一生懸命に生きている日々の中でのみ手に入ります。お金というのは情報システムで単なる冷たい台帳の数字の文字が紙になって手元にあるというだけのことです。
お金が手に入った理由の中に実体があり、お金はあくまでその生活を流れるだけのとても曖昧な存在です。
人生なんてたった一人の愛する異性とほんの数人の親友、自分の能力を発揮できる仕事があれば十分幸せです。お金の多寡はあくまで保険で、私たちの多くが生まれながらにして抱える「お金を稼がないと生きていけない」という束縛、つまり労働者階級の人生から抜け出すためのツールにすぎません。
「絶対に幸せになるぞ!」
こういう安直まっすぐな明るい人で良いんです。前向き人間は運命の女神に愛されます。
まあ私のSNSをフォローする目利きスキルの高い皆様なら分かりきったことだとは思いますが、自分を幸せにするために何かに依存する必要は全くありません。
神なる存在は心の中に居ます。お財布やATMの中に居るわけではありません。