「本能的生殖欲求の仮想的充実」低コスト化の行き着く未来

先ほど阪大石黒教授の「アバターと共生する未来社会」を読み終えました。

とても密度が濃く概念的にも新しいものがてんこ盛りだったため、私も大概考え方は先進的だと思いますがそれでも読み切るのに相当のリソースを使いました。

結果的には読み終わるまでに非常に長い時間が掛かったなと思います。

今私たちが抱えている価値観と言うのはあくまで今の時代の価値感であり、100年前の価値観が今この場に持って来るとかなり違和感がある様に、100年後の未来では今私たちが考えていることはとても奇妙に映るものとなるでしょうね。

仮想世界での冒険と恋愛が心を満たす、というのは当時過去の技術では表現不可能だったと思いますし、私たちが今当たり前の様に結婚して子供を作ってという価値観が段々と過去のものになりつつあるのも社会の変化を見ていると明らかです。

少子高齢化は世界的に進み、いずれ人類は新しい時代に進むし進まざるを得なくなるでしょう。

子育てや介護は「個でやるのでは無く公でやる」それをする北欧一部国家のGDPと幸福度が高いというデータがあるらしく、何が正解なのかは過去の価値観を参照している限りは中々見えてこないものなのだと思います。

現実の異性と恋愛をし生殖をし子を成し、それを連綿と家系図に沿って続けて行くことが一般的な種の存続のルールなのだと思いますが、一方で医学の発達により男女ともに大きな肉体的負担なく子供を作れるような社会になる、そういったことも考えられます。

そもそも肉体改造の果てに全てが有機物から無機物に置き換わって行けば、その遺伝子を残すことそのものにも価値を感じなくなる時代も来るのかもしれません。

若しくは仮想世界の中での生殖により低コストに全ての記録を分散台帳に記録してデータ化し、人類の肉体そのものは消滅して行くなんてSFチックな話になって行くのかもしれません。

何かを育て増やすことは非常に楽しいことですが、それこそが生殖本能の正体でありそれは必ずしも自分自身の有機的遺伝子情報ではないのかもしれません。

遺伝子データで良いのでは?というのはそれはそれで考察の余地があるものだと思います。

気難しい異性と四六時中一緒に居るのと、気を使うことなく常に安定した応対で一緒に居てくれる仮想的恋人、このどちらが幸福なのでしょうか?

一方で現在もはや本物と見分けがつかないほどに進化した性目的のドールなど、意識の変革が進む前にハードウェア的な技術刷新が進んできています。それならより低コストに、煩わしい思いをすることも無く、生殖本能自体は満たせてしまう世の中になるのは非常に合理的であり且つ本能欲求を十分に満たすものとなり得ます。

そして子供そのものはより人工的な形で授かり、子作り子育てを支援する技術なり社会認識が出来上がった先で、今の核家族を土台とする社会システムは過去のものとなって行くのは必然の様にも感じます。

転じて今の私の家族との生活を改めて振り返ると、これはこれで悪くないものですし子育ての苦労もまた人の生きる喜びの一部だと感じます。一方で負荷の高い仕事を抱えながらの子育ては私には出来ませんでしたし、本当にタイミング良く資産形成が進み会社を辞めても暮らして行くに十分な資産が出来上がっていたのは本当に幸運な事だったなとも思います。

今一つ社会の仕組みと人本来の望みに不整合があるのは確かで、この辺りに将来解決するべき問題やビジネスチャンスがあるのは明らかです。

より人類社会の発展と人々の幸福度の両立をし易い社会システムへと変革していくのは必然であると同時に私たちの成すべきことのひとつでもあり、それを補佐するための技術が発展していくことを願いたいものです。

こういうのもStepbyStepで、少しずつ本当に少しずつ、社会に新しい技術と価値観を実装して行けるよう、私たちは新しいものごとに目を開き更なる発展の可能性を探求していくべきですね。

自分とよく似た画面の中なり機械で出来た仮想存在が子供、みたいなことはまあまだまだ早いとは思いますが、現実の子供が居ながら仮想世界の兄弟や家族がいてくれる、みたいな世界観は今でも十分通用するかなとは感じますね。
とおる

FIREした元サラリーマンが資産運用収入を土台に様々な事業に挑戦しています。実体験に基づいた情報を発信していきますので、同志の皆様のお役に立てば何より幸いです。 略歴:国立大学大学院卒業後、日系電機メーカ、日経自動車メーカ、外資系メーカで開発業務を遂行。会社勤めの傍ら木造アパート1棟、太陽光発電所2基、株式、現金コモディティ他をコアとした資産運用を8年実施、生活費相当の資産収入を築きFIREを達成。現在は経営者として事業経営の日々。娘1人の3人家族。