人生を振り返るに、尊敬できる人はやっぱり何人かいたなと感じます。身近に居る人もいるので、そういった方にきちんとこれから接していきたいですね。
思い返すと価値観の多くは大学時代に培われた気がします。
ずっと忘れられないのが大学時代の緒方君という人で、何故かことあるごとにいつも思い出してしまいます。
少し巻き毛で色黒のハンサムガイで、正義感が強くて、私の様な大人しいやつを女の子連れで旅行に誘ってくれたりともうなんなのこいつパーフェクトやんというやつでした。
大学部活の部長で、一番驚いたのは部活動で春のまだ雪の残る山に登山に行った時。
結構急な斜面をザックを背負って降りていて、
「やべえこれ滑ると死ぬな」
とハラハラしていたのですが、ふと上を見ると後輩が滑落してきました。とっさに思ったのは
「こっちに来るな。巻き込まれる。」
でした。それに対してあいつは
「○○(後輩の名前)!!」
と叫んで体ごと飛びついて止めに行きました。
10メートルほど滑り落ちて大きな岩の前で止まりました。
あの時の光景は今でも覚えています。なんて素敵な人だろう、そしてなんて自分は愚かであったのだろうと。
手放しで賞賛できる人なんて世の中にそうはいませんが、そういう出会いが一つあっただけでも良かったなと心から思います。それもまた私が新しい世界に勇気を出して飛び込んだおかげでもあります。
彼と過ごした学生時代の思い出が、なぜ年月とともに輝きを増して行くのだろう。
あの頃に時間を撒き戻せたら、どれだけの溢れる感謝を伝えるだろう。
学生時代のたった一つの思い出が、きっと私の魂をずっと生かし続けてくれるのだろうなと感じます。
あの時の光景を思い出すとき、世の中捨てたものじゃないんだよと、そう思える自分がいます。
いつか彼に追いつけるのだろうかと。私が望む自分を実現したとき、その時に胸を張って会いに行って、最高級のお酒でも飲みながら、
「友達でいてくれてありがとう」
そう伝えたいと思います。
そして願わくばまた同じくらい素敵な出会いがこれからまたありますように。
まだまだ精進ですね。