前々から何度か検討をしているのですが、新築物件と中古物件のどちらが良いのかというのは現状は長期で見た時は新築が優れるという結論に至っています。
今一度それを比較してみたいなと思いましたので書いてみたいと思います。
以下の表で比較してみました。ここで新築は35年ローン、中古は10年ローンを組んでいます。築10年毎に大規模修繕を行い、新築は築50年で中古は築40年で物件の寿命を迎えると想定します。(木造アパートの技術革新を考慮に入れてみました)
経過年数 | 新築 | 中古(築25年) | 備考 |
5年 | 大規模修繕 | ||
10年 | 大規模修繕 | ローン完済 | |
15年 | 運営終了 | ||
20年 | 大規模修繕 | ||
25年 | |||
30年 | 大規模修繕 | ||
35年 | ローン完済 | ||
40年 | 大規模修繕 | ||
45年 | |||
50年 | 運営終了 |
あまりシミュレーションを複雑にすると本質がぼやけるため触れていません。楽待等を使えば簡単にできますので。
新築はローン完済後も物件の運用が長期に渡り可能ですが、中古はローン完済後間もなく建物の寿命を迎えます。中古は長期的にはあまり良い選択の様には見えません。
ここから分かるのは、中古物件は利回りが高くキャッシュフローを作るのは比較的簡単なことだとしてもそれは長期には維持できないということです。
中古物件であれば短期で物件を売り抜ける必要があることを意味します。そして短期で売り抜けるためには不動産価格が上昇を始める前に購入し、上昇したタイミングを見計らって売却するという対応が必要となります。
また中古物件は相対取引ですので上手く行けば実勢価格よりも安く購入することができます。これが出来れば中古物件のメリットを発揮できますし、世の中の多くの投資家はこの様な買い方をするために日々情報収集と獲得競争に励んでいるのだと思います。
もちろん物件を解体し再度新築物件を建てるのも有りです。その場合は新築と同じサイクルをスタートすることになります。
新築物件を建てるために苦労して中古物件を運用して土地の取得と解体費を積み立てるという考え方もできるかなと思います。
新築は長期の運用により少しずつ純資産や利益を積み上げる、中古は短期の運営中に不動産の値上がりを期待する。これが基本戦略になるのかなと感じます。
やはり不動産事業としては新築の方がビジネスとして健全かなと思います。
新築不動産の弱点
本質的には健全な新築不動産ですが、長期で運用することが前提ですので幾つか難しい点が上がります。
・30年先の人口動態を読まないといけない。
・50年間災害リスクを抱える。
・買った瞬間に含み損を抱える。(すぐ売っても買値より高く売れない)
・初期費用を多くとらないとキャッシュフローが不安定。(一般的には物件価格の3割が安全とされているので、初期費用が2,000万円以上になる)
・建物としての経営実績をゼロから始める必要がある。
・長期に渡り負債を抱える。
これらを理解し長期の事業として運営する心構えがあれば、新築不動産経営も上手く行くのかなと思います。
新築を購入するのであれば少なくとも30年間はその土地で不動産事業を営む覚悟が必要ですね。
今すぐ急いでサラリーマンから脱出したのであれば良質な物件を中古で必死で探して購入競争を勝ち残る(1,000個のうち3つくらいと言われていますが)、長期で資産形成を行うのであれば新築を工夫して安く高機能に建てて長期で運用するというところでしょうか。
私は新築派ですが世の中では中古物件がもてはやされているため引き続き検討を行い、良い機会があれば中古物件も購入してみたいと思います。
それでは本日もありがとうございました!